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これからの時代のリーダーに必要な「戦わない力」

AI時代のリーダーの原則③

■戦わない力~戦わずして勝ちづつける秘訣

本当の競争は「戦わないように勝つ」ことを目標にしなければならない。
(写真:フォトライブラリー)

「戦わない力」というのも、今後のリーダーには重要な能力になるはずです。

 ビジネスの世界ではライバルがいて常に競争しています。ライバルは社外だけではなく、社内にもいることがあります。部下や上司が、時にはあなたの向かう方向に立ちふさがるときもあるでしょう。

 このような見方をすると、周りは敵だらけの中で私たちは仕事をしています。

 昔はこのようなライバルに、全力で向かって勝つことが求められていました。しかし、今はあらゆる敵に勝つ力を持つリーダーではなく、「戦わずして勝ちづづけるリーダー」が求められています。

 なぜなら、戦うことは消耗することだからです。

 誤解のないように説明すると、私が競争を避けろと言っているわけではありません。競争は成長の原点ですから競争するべきです。ライバルがいるからこそ、自身の強化するべき場所や目標を置いて成長するのです。良いベンチマークがあるからそこを目指していけるのです。

 ただし、競争は戦いではありません。相手をやっつけることが目的ではなく、あくまでベンチマークすることで、自身の成長を促すものでなければなりません。

 ライバルと戦うことに力を入れることは、本当の目的を見失いかねません。
本当の競争は「戦わないように勝つ」ことを目標にしなければならないのです。

 この思考を「戦略思考」と言います。

 どうすればライバルより常に有利な位置にいることができるか? と考える思考です。

 間違っても自分の力を大幅に上回るライバルに対して戦いを望むのは、チームを預かるリーダーとしては避けなければなりません。

 そのためには3つ方法があります。
1つは、相手が戦いを仕掛けられない状況にすること。
 これは膨大な抑止力を持っている、虎の威を借りるなどが当てはまります。
2つ目は相手が入れない領域をつくることです。
 これを「コアコンピタンス」といい、全体では力がないが、ある領域のオンリーワンであるなどがあります。
・3つ目は仲間に組み込むです。
 戦うよりも、お互いの強いところを組み合し、WIN‐WINの関係に持ち込むことです。
 戦いは消耗戦です。それよりも戦いをしないで勝つ道を作り出すのが賢者と言えるでしょう。

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鳥原 隆志

とりはら たかし

株式会社インバスケット研究所 代表取締役。

1972年生まれ。大学卒業後、大手スーパーのダイエーに入社。販売部門や企画部門を経験し、10店舗を統括する店舗指導員(スーパーバイザー)として店長の指導や問題解決業務に従事する。管理職昇進試験時にインバスケットに出合い、研究・トレーニングを開始。その経験を活かして株式会社インバスケット研究所を設立。企業のリーダー研修などのためのインバスケット教材開発と導入をサポートする。日本で唯一のインバスケット・コンサルタントとして活動中。大企業の管理職研修など、1万5000人以上のリーダー育成を支援してきた。著書は『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』(WAVE出版)など、40タイトル、累計50万部以上。



株式会社インバスケット研究所公式ホームページ

http://www.inbasket.co.jp/


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